Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
おちばいき
落ち梅記
山本 周五郎
Lee 落ち梅記 (おちばいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 30.748 caracteres · 61 pantallas
民部康継は逞しい躰格で、顔色もよく、動作もきびきびしていた、昔の亀之助のおもかげは殆んどなく、どっちかといえば剛毅な風貌であった。……彼は金之助の挨拶を黙って受け、終ると黙って立っていった。颯々とした足さばきで、金之助などは覚えてもいないというようすだった。
金之助は次に村松平馬を訪ねた。平馬は十九歳のときから江戸詰になり、一昨年その家を相続して、現在では下屋敷支配をしている、そのためこれまで会う機会がなかったのである。――久しぶりの対面で、暫く故郷や旧友の話をしたが、平馬のようすになにやら隔てがあって、あの頃のようにぴったり気持がかよわず、ともすると間の悪い沈黙が起こった。そのうちにふと決心したという表情で、平馬が思いもかけないことを云いだした。
「まことに突然のようだが、側用人と次席家老の職を辞退しないか」
「――――」
金之助は相手の顔を見まもった、余りにも意外のことで、冗談か本気かさえわからなかったのである。
「いったいそれはどういうことなんだ」
「理由はいま云えない、辞退をすすめるのも友達としての個人的な忠告だ、――こう云えばなにか思い当ることがありはしないか」