Clásicos japoneses con furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lee 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 239.741 caracteres · 486 pantallas
四五日して日曜日のこと、また越春さんがきて、助ちゃんのことで新しい話題をもたらした。浅草公園のある演芸場に出ている「どじょう掬い」の女芸人に助ちゃんが夢中になっているという噂を。越春さんは茶の間で祖母と話していた。
「惚れるにことを欠いて、どじょう掬いだなんて。」と祖母が露骨に眉を顰めた。
「阿呆でそのうえ悪擦れしているんですから、かないませんわ。」と越春さんは云った。越春さんは助ちゃんのことというと、なぜかむやみに反感を募らせる傾きがあったようだ。
私は縁側にいて水絵具で庭木の写生をしていたが、子供心に聞きづらい思いをした。人の心にはなぜ悪意や皮肉が巣くうのだろう。私は助ちゃんに対しては、こないだ溝に落ちたのを助けてもらったからということばかりではなく、まえからなんとなく親しみを感じていた。越春さんの話は私のその子供心を損うものであった。助ちゃんのことを口汚く云った言葉が、私に助ちゃんを侮る気を起こさせずに、反って大人同士の陰口を疎ましく思わせた。助ちゃんはなぜあんなに悪く云われなければならないのだろう。私はお糸さんを探してみたが、買物にでも出かけたのか、見えなかった。