Clásicos japoneses con furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lee 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 239.741 caracteres · 486 pantallas
ひとを非難するということは、それがどんなに正当に見えるような場合でも、むなしい仇矢を放つようなものである。お婆さんの態度には、いたずら娘を労っている母親のようなやさしさが感ぜられた。また人間と犬との違いはあっても、女は女同士といったようなところもあった。犬は眼を細くして、お婆さんの愛撫に応えている。そのほっとしているような様子を見ると、私もまた心をそそられた。
「犬は好きですか。」
とお婆さんが私に向って云った。私は一寸返答に困った。女は好きかと訊かれても、やはり私は同じように困惑するだろう。
「嫌いじゃありません。まだ一度も犬を飼ったことはないんです。」
「可愛いもんですよ。亡くなった連合が犬や小鳥の好きなたちでしてね。何度か飼ったことがございますよ。」
お婆さんの声音には、亡くなった人を懐しんでいる響があった。お婆さんの連合は、もう大分まえに、壮年のころに亡くなったようである。飾職だったという。お婆さんの部屋の長押にはその人の肖像が額にして懸けてある。私は一言か二言の中にその人の俤や生涯が彷彿としてくるような言葉をきくのが好きだ。たとえば電車の中などで、乗客のこんな話を耳にすることがある。