Clásicos japoneses con furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lee 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 239.741 caracteres · 486 pantallas
私はすぐ、自分がよそに移されることを感じた。その人は私の視線を受けず、私のうろたえをチラと見たきりだった。私は悲しい気持を感じたままその工場を出た。
三日ほど前のことである。それまで読んできた本を読み終って次の本を渡された。見ると、悲劇小説とでもいうか、一昔前縁日の本屋などが並べているのを見受けた、東京ではいまはまったく見られなくなったと云っていい、通俗の本であった。私は張り合いの抜けた気持だった。読んできた本は江原素六の伝記でまじめな、版も新しいものだったのだ。その本を手にした時私はちょっと意外な気がしたものだ。ここにきて、同じ暮しをしている者と、ともにこうした本を読むのをふしぎにも思い、毎日の本読みは楽しみだったのだ。私は悪くきまりわるがる質なので、その小説では、泣くとこや声を出して笑うとこを、どうしても写実的には読めず、抜かしてしまった。会話のとこも素ッ気ない読み方をした。こんどの本読みは苦が手にしていた。その人はそういう私の読み方には不満を感じたらしく、時間がきてその本を返した際、「これは情味のある本だから、そのつもりで読めよ。」と云った。