Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lee 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 239.741 caracteres · 486 pantallas
しかしやはりエゴイストというより、しようがなかろう。私は謝罪の心もなくて、「すみません。」と容易に云うことが出来る、そして面を拭っていられる、単純な奴にしか過ぎない。なんによらず、私は自分の過去のことで、なにが為になったなどとは云えもしない、云いたくもない。ただ、私のような者にも思い出がある。それだけだ。
出る間際にその人は私に云った。
「お前は到頭、家へ手紙を書かなかったな。……お前の家からも手紙が来なかったな。」
そして云った。
「お前の罪名はなんだっけな?」
「窃盗です。」
「馬鹿だなあ。」
出てから私は、教誨師へ出す葉書の中に、
「十一工場の担当さんによろしくお伝え下さい。」と書いた。それはこんなことを聞いていたから。――私の同房者で、その出所する前日、その人に世話になった礼を云い、姓名を尋ねたら、その人はこう云ったという。看守に手紙を送ることは禁じられている、もし教誨師にでも手紙を出すことがあったら、その中に、「十一工場の担当さんにもよろしく。」位のことは書き添えてもかまわない、と。私はそれを覚えていたのだ。