Clásicos japoneses con furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lee 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 239.741 caracteres · 486 pantallas
私はそのとき子供ながらにぞっとした。彼の眼色は私に対する悪意で燃えていたから。けれども、その後は彼も私に対してわるさをしなくなった。私はいまだに彼がどうして私に対してあんな真似をしたのか、というよりは敵意を抱いたのか見当がつかないのである。(ずっと後になって私は、ある新聞記事に「××首相はきょうは夕食に灘の生一本でまぐろのさしみを食べた。」と書いてあるのを読んだとき、なんとつかず彼のことを思い出した。もとより彼が成長して新聞記者となり、その記事を書いたというように想像したわけでもなかったが。まぐろのさしみが私の玉子焼を聯想させたのかも知れない。)赤犬は、いや、あいつは私が見覚えのある眼色で凝っと私を見つめた。私は子供のとき教室でこの眼を見たときの感情が、自分のうちに甦えるのを感じた。あいつはかつて私の新しい雑記帳をよごしたように、いままた私とメリーの生活にけちをつけにやってきたのだろうか。あいつはあのときのように満面に敵意を浮かべて唸り声をあげた。「お前のような奴がいるから、世の中が住みにくくなるのだ。」私はその唸り声に打ちひしがれそうになった。