Clásicos japoneses con furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lee 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 239.741 caracteres · 486 pantallas
恒産なければ恒心無しと云うではないか。いつどんなへまをしでかすか、僕にはとても自分が信用出来ないのである。所帯道具がふえたじゃないかと笑った人があるが、たとえば僕が一羽の燕であるとすれば、僕にとって七輪や鍋は燕がその巣を造るために口に銜んでくる泥や藁の類いに相当するであろう。そして僕に養う子燕がないにしても、僕としてはやはり自分の巣は営まなければならない。僕はひとが思うほどには、また自分からひとに話すほどには、薪水の労を億劫にはしていない。そんなにいやでもない。僕の一日などは大抵無為のうちに暮れてしまうのだが、「無為」でないのは睡眠という営みをべつにすれば、その時間だけである。そして僕にはそれに費される時間の長さが有難いのだ。僕はそれをひどくスローモーションにやるわけなのだから。たとえば母親から慰められずに置き去りにされた子供が独りで玩具を弄んでいるうちにいつか涙が乾いてくるように、米を磨いだり菜を刻んだりしていると、僕の気持もようやく紛れてくる。僕はうどんが煮える間を、米が炊ける間を大抵いつも詩集を繙く。小説なんかよりはこの方が勝手だから。こんな詩を見つけたりする。