Clásicos japoneses con furigana
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らくご・きょうそれつでん
落語・教祖列伝
Lee 落語・教祖列伝 (らくご・きょうそれつでん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.807 caracteres · 28 pantallas
死から逃げ道がないのであるから、言い合したように歯の根が合わなくなって、みんなの足がコチコチ、コチコチと井戸端のタタキを自然にこまかくふんで合唱をおこす。ローソクの紐を持っている男は、手の自由を失って、上げることも下げることもできず、ただ、ふるえが止まらない。ローソクがプラン/\ゆれて、水面へ突きだしているカメの鼻をやいたから、カメは水中でとびあがった。
「ワアッ。人殺し!」
「ワッ。カメの幽霊が出た」
「待て。待て。そうじゃないぞ。幽霊が人殺しなんて叫ぶのはきいたことがない。まだカメは生きているらしいぞ。オーイ。カメや。生きているか。たのむから、返事をしてくれ」
「この嘘コキども。オレは井戸から上ってやらないぞ。ツルベの水をくませてやらないから、そう思え」
「ワア、生きている」
にわかに安心して、ヘタヘタと腰をぬかしたのが、十五人も二十人もいる。
多茂平も生色をとりもどして、
「カメ。たのむ。もう、嘘はこかんから、あがってくれ」
「ダメだ」
「そんなら、井戸の底へザルに入れてミソ漬けのムスビを降してやるから、それを食って、嘘をこかんところを見とどけてから、上ってこい。