Clásicos japoneses con furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Lee 薄紅梅 (うすこうばい) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 61.133 caracteres · 122 pantallas
が、うっかり小説の筋を洩らして、面と向ったから、女房が却って瞼を染めた。
棚から一冊抜取ると、坐り直して、売りものに花だろう、前垂に据えて、その縮緬の縞でない、厚紙の表紙を撫でた。
「どうぞ、お掛けなさいまして、まあ、どうぞ。」
はなからその気であったらしい、お嬢さんは框へ掛けるのを猶予わなかった。帯の錦は堆い、が、膝もすんなりと、着流しの肩が細い。
「ちょうどいい処で、あの、ゆうべお客様から返ったばかりでございますの。それも書生さんや、職人衆からではございませんの。」
娘客の白い指の、指環を捜すように目で追って、
「中坂下からいらっしゃいます、紫鹿子のふっさりした、結綿のお娘ご、召した黄八丈なぞ、それがようお似合いなさいます。それで、お袴で、すぐお茶の水の学生さんなんでございますって。」
「その方。……」
女房の膝の方へは手も出さず、お嬢さんは、しとやかに、
「その作者が、贔屓?」
と莞爾した。
辻町糸七、よく聞けよ。
「は?……」
貸本屋の客には今までほとんど例のない、ものの言葉に、一度聞返して、合点んで、
「別にそうと限ったわけではございません。何でもよくお読みになりますの。