Clásicos japoneses con furigana
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かいろこう
薤露行
Lee 薤露行 (かいろこう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.925 caracteres · 40 pantallas
願う事の叶わばこの黄金、この珠玉の飾りを脱いで窓より下に投げ付けて見ばやといえる様である。白き腕のすらりと絹をすべりて、抑えたる冠の光りの下には、渦を巻く髪の毛の、珠の輪には抑えがたくて、頬のあたりに靡きつつ洩れかかる。肩にあつまる薄紅の衣の袖は、胸を過ぎてより豊かなる襞を描がいて、裾は強けれども剛からざる線を三筋ほど床の上まで引く。ランスロットはただ窈窕として眺めている。前後を截断して、過去未来を失念したる間にただギニヴィアの形のみがありありと見える。
機微の邃きを照らす鏡は、女の有てる凡てのうちにて、尤も明かなるものという。苦しきに堪えかねて、われとわが頭を抑えたるギニヴィアを打ち守る人の心は、飛ぶ鳥の影の疾きが如くに女の胸にひらめき渡る。苦しみは払い落す蜘蛛の巣と消えて剰すは嬉しき人の情ばかりである。「かくてあらば」と女は危うき間に際どく擦り込む石火の楽みを、長えに続づけかしと念じて両頬に笑を滴らす。
「かくてあらん」と男は始めより思い極めた態である。
「されど」と少時して女はまた口を開く。「かくてあらんため――北の方なる試合に行き給え。けさ立てる人々の蹄の痕を追い懸けて病癒えぬと申し給え。