Clásicos japoneses con furigana
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そせい
蘇生
豊島 与志雄
Lee 蘇生 (そせい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 14.974 caracteres · 31 pantallas
障子が開かれると、眩しい太陽の光りが室の中に流れ込んだ。空は綺麗に晴れていた。庭の樫の木の葉が、露に濡れてきらきら輝いていた。敬助は蒲団の中に首を引込めた。
「やはり閉めてくれ。」と彼は云った。
中西は障子を閉め切ると、敬助の枕頭に寄って来た。そして彼の顔を覗き込んで云った。
「君、しっかりしてくれ給え。それは悲痛だろうけれど、運命は君にそれを求めているんだから。」
敬助は軽く首肯いた。
「中西!」そう敬助は云って、じっと彼の手を握りしめた。涙が眼に湧いて来た。
けれどもその朝彼は、卵黄を二つすすっただけで、何も食べなかった。それから葡萄酒を二杯飲んだ。
八時過ぎに秋子さんが俥を走らせて訪れて来た。彼女は眼を伏せて婆さんに導かれるようにして室の中にはいって来た。そして最後に障子の硝子の代りにはられた白い紙を見た。それから敬助の方を見た。
「秋子さん!」敬助はそう云って、床の上に起き上ろうとしたが、また身体を横にしてしまった。そして慶子にそっくりの彼女の真直な眉と心持ち黒目の小さな眼とを、彼は眺めた。ただその眼は赤く脹れ上っていた。
暫く沈黙が続いた。
「御気分は?」