Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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らん

蘭

山本 周五郎

Lee 蘭 (らん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 10.247 caracteres · 21 pantallas

Aozora Bunko

「脇屋藤六がまたやった」追手門を出ると、すぐに平三郎がそう云った。「増島三之丞と中原又作を馬場へ呼びだして、仲間でとり詰めて、中原は腕を折り、三之丞は頭を割られたそうだ。こまった」

生之助は、だまってまゆをひそめた。法恩寺山から吹きおろす風は、武家町の広い乾いた道にほこりを巻きたて、樹々の枝に散り残った枯葉をひきちぎって行った。

「悪いことには、若い者の間に、だんだん脇屋の勢力が広がっていく。粗暴と慷慨が、わけもなく壮烈にみえる年ごろだ。捨てておくと、とり返しようのないことになる」

「たしかに、あれは将来きっとがんになる」生之助は低い、ささやくような声でこう云った。

「……なんとかしなければならない。心から藩家を思う者は、そう考えているのだろう。けれど、こういうおれ自身でさえ、やはり手をつかねているのだから」

「脇屋はそれを見とおしている。刀の柄に手をかけることが自分の存在の強大さだということを、そして、人が暴戻にたいしてたやすく起つものでないということを。――かれは、そこを根にして伸びあがるんだ。悪はそれ自身では、けっして成長しないものだ」

「だが……」