Clásicos japoneses con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lee 虞美人草 (ぐびじんそう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 198.559 caracteres · 401 pantallas
「美術品で結構だが、金縁眼鏡だけで保険をつけてるのは情ない」
「とかく眼鏡が祟るようだ。――宗近君は近視眼じゃないんですか」
「勉強しないから、なりたくてもなれない」
「遠視眼でもないんですか」
「冗談を云っちゃいけない。――さあ好加減に歩こう」
二人は肩を比べてまた歩き出した。
「君、鵜と云う鳥を知ってるだろう」と宗近君が歩きながら云う。
「ええ。鵜がどうかしたんですか」
「あの鳥は魚をせっかく呑んだと思うと吐いてしまう。つまらない」
「つまらない。しかし魚は漁夫の魚籃の中に這入るから、いいじゃないですか」
「だからアイロニーさ。せっかく本を読むかと思うとすぐ屑籠のなかへ入れてしまう。学者と云うものは本を吐いて暮している。なんにも自分の滋養にゃならない。得の行くのは屑籠ばかりだ」
「そう云われると学者も気の毒だ。何をしたら好いか分らなくなる」
「行為さ。本を読むばかりで何にも出来ないのは、皿に盛った牡丹餅を画にかいた牡丹餅と間違えておとなしく眺めているのと同様だ。ことに文学者なんてものは奇麗な事を吐く割に、奇麗な事をしないものだ。どうだい小野さん、西洋の詩人なんかによくそんなのがあるようじゃないか」