Clásicos japoneses con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lee 虞美人草 (ぐびじんそう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 198.559 caracteres · 401 pantallas
「たしかに酔っ払ってるようだ。君はまた珍らしく畏まってるじゃないか」と一重瞼の長く切れた間から、宗近君をじろりと見た。
「おれは、これで正気なんだからね」
「居住だけは正気だ」
「精神も正気だからさ」
「どてらを着て跪坐てるのは、酔っ払っていながら、異状がないと得意になるようなものだ。なおおかしいよ。酔っ払いは酔払らしくするがいい」
「そうか、それじゃ御免蒙ろう」と宗近君はすぐさま胡坐をかく。
「君は感心に愚を主張しないからえらい。愚にして賢と心得ているほど片腹痛い事はないものだ」
「諫に従う事流るるがごとしとは僕の事を云ったものだよ」
「酔払っていてもそれなら大丈夫だ」
「なんて生意気を云う君はどうだ。酔払っていると知りながら、胡坐をかく事も跪坐る事も出来ない人間だろう」
「まあ立ん坊だね」と甲野さんは淋し気に笑った。勢込んで喋舌って来た宗近君は急に真面目になる。甲野さんのこの笑い顔を見ると宗近君はきっと真面目にならなければならぬ。幾多の顔の、幾多の表情のうちで、あるものは必ず人の肺腑に入る。面上の筋肉が我勝ちに躍るためではない。頭上の毛髪が一筋ごとに稲妻を起すためでもない。