Clásicos japoneses con furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lee 親鳥子鳥 (おやどりことり) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 88.828 caracteres · 181 pantallas
「然うでしょうかね」
と僕は聊か疑問だったが、
「従兄弟同志だから似ているんだろう。郁子さんと、そら、あの絹子さんとだって能く似ているぜ」
と芳夫さんも絹子さん同様僕を利用して早速目的物に達した。縁談中の男女は常に敵本主義を心掛ける。
「しかし絹子さんと僕達は又いとこですよ」
「然う然う。お父さん同志が従兄弟だってね。それにしても似ているよ」
「顔よりも声が似ています。そら、あれが郁子です。今のが絹子さんです」
と僕は縁側伝いに洩れて来る母屋の話声に耳を澄ました。
「ああ、あれだね。笑っている笑っている」
と家庭教師は他愛なく代数の声に聴き惚れた。
「芳夫さん、面白いものを御覧に入れましょうか?」
と僕は絹子さんと僕の写っている新聞写真の切り抜きを机の中から引き出した。
「やあ、絹子さんと君だね?」
「ええ、暮に銀座を歩いていたら偶然家の新聞が写したんです」
「よく写っているよ」
と芳夫さんはいつまでも放さない。
「もう一つ切り抜きがあります。今度は記事ですよ」
と言って、僕は小さな紙切を渡した。
「おやおや、これは驚いた。何新聞に出ていたの?」
と芳夫さんは飛び立たないばかりに面食った。