Clásicos japoneses con furigana
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ろんごものがたり
論語物語
下村 湖人
Lee 論語物語 (ろんごものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 132.688 caracteres · 266 pantallas
何しろ、まだ皆さんお若いでな。だが先生の値打、……いや、値打などと申しては勿体のうございますかな、……ええと、その、先生のほんとうの魂、つまり先生の心の奥の奥にある、あの憂いも、惑いも、懼れもない尊い魂にしんみりふれて、存分にその味を噛み出すには、ともどもに難儀をするに限りますよ。貴方がたのうちに、万が一にも、先生が魯の大司寇をお辞めになったことで、気を落していなさる方がありましたら、それこそ罰が当りましょう。」
老人の顔は、次第に紅潮して来た。門人たちもそれにつりこまれて、いつとはなしに居ずまいを正した。
「それに第一――」
と、老人はせまるように、一歩門人たちの方に近づいて、
「先生を魯の国だけに閉じこめて、役人などさして置くのは、勿体ないとは思いませぬかな。」
門人たちはおたがいに顔を見合せた。誰も返事をする者がなかった。すると老人の声が、急に呶鳴りつけるように、彼等の耳に落ちて来た。
「先生は、貴方がたの立身出世のために、生れておいでになったお方ではありませぬぞ!」
部屋じゅうが石のように固くなった。老人は少し前こごみになって、顔をつき出していたが、その眼が異様に光って、じっと冉有の顔を見つめていた。