Clásicos japoneses con furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lee 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 162.569 caracteres · 336 pantallas
「いよいよきょうは、島にいくんだ。なにかねがいはないかね」
エキモスはすぐにこたえました。
「なんにもありませんが、ただ、なごりに、笛をふかしてください」
「うむ、きいてきてあげよう」
しばらくたつと、番人は白葦でこしらえた銀色の笛をもってきてくれました。
エキモスはとびあがってよろこびました。そのだいじな笛を胸にだきしめて、なみだをながしました。それから一心に、笛をふきはじめました。なんともいえないうるわしい音がひびきわたりました。エキモスはもうなにもかもわすれて、むちゅうにふきつづけました。いく時間ふきつづけたか、じぶんでもしりませんでした。
そのうち、なんだかさわがしいので、エキモスは気がつきました。そして窓からのぞきみると、びっくりしました。
森のなかいっぱい、鳥や獣ばかりでした。鷲や狼やライオンのようなおそろしいものもまじっていました。エキモスの笛をききにやってきたのです。牢の番人たちはにげだしてしまって、だれもいません。ただ鳥や獣ばかりです。
エキモスは笛をふきやめて、ぼんやりそれをながめていました。ふと気がつくと、森のむこうの野原のなかに、なにかうごいています。