Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

かけこみうったえ

走れメロス

太宰 治

Lee 走れメロス (かけこみうったえ) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 55.745 caracteres · 112 pantallas

Aozora Bunko

であった。けれども私は、彼もさすがにてれくさそうにして眼を激しくしばたたかせながら、そうして、おしまいにはほとんど不機嫌になってしまって語って聞かせたこんなふうの手柄話を、あんまり信じる気になれないのである。彼が異国人と夜のまったく明けはなれるまで談じ合うほど語学ができるかどうか、そういうことからして怪しいもんだと私は思っている。疑いだすと果しがないけれども、いったい、彼にはどのような音楽理論があるのか、ヴァイオリニストとしてどれくらいの腕前があるのか、作曲家としてはどんなものか、そんなことさえ私には一切わかって居らぬのだ。馬場はときたま、てかてか黒く光るヴァイオリンケエスを左腕にかかえて持って歩いていることがあるけれども、ケエスの中にはつねに一物もはいっていないのである。彼の言葉に依れば、彼のケエスそれ自体が現代のサンボルだ、中はうそ寒くからっぽであるというんだが、そんなときには私は、この男はいったいヴァイオリンを一度でも手にしたことがあるのだろうかという変な疑いをさえ抱くのである。そんな案配であるから、彼の天才を信じるも信じないも、彼の技倆を計るよすがさえない有様で、私が彼にひきつけられたわけは、他にあるのにちがいない。