Clásicos japoneses con furigana
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れんかんき
連環記
幸田 露伴
Lee 連環記 (れんかんき) de 幸田 露伴 (こうだろはん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 49.281 caracteres · 95 pantallas
見え、従って自分の方の現在が余計忌々しいものに見えたに違い無く、匡衡の方からは、定基の方を、気の毒な、従って下らないものに見ていたと思われる。まして定基の妻からは、それこそ饑えたる者が人の美饌を享くるを見る感がしたろうことは自然であって、余計にもしゃくしゃが募ったろうことは測り知られる。
赤染右衛門は生れだちから苦労を背負って来た女で、まだ当人が物の色さえ知らぬころから、なさけ無い争の間に立たせられたのであった。というのは右衛門の母が、何様いう訳合があったか、何様いう身分の女であったのか、今は更に知れぬことであるが、右衛門が赤染を名乗ったのは、赤染大隅守時用の子として育ったからである。然るに歌人として名高い平兼盛が、其当時、生れた子を吾が女と称して引取ろうとしたのである。検非違使沙汰となった。検非違使庁は非違を検むるところであるから、今の警視庁兼裁判所のようなものである。母は其子を兼盛の胤では無いと云張り、兼盛は吾子だと争ったが、畢竟これは母が其子を手離したくない母性愛の本然から然様云ったのだと解せられもするが、又吾が手を離れた女の其子を強いても引取ろうとするのはよくよく正しい父性愛の強さからだとも解せられるのである。