Clásicos japoneses con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lee 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 846.457 caracteres · 1672 pantallas
それだのに、おっかさんときたら、ちょっと何か満足することがあると、そういうことは何でも彼でも、『彼』のおかげにするんだ。僕たちがやったことでもだよ。そして僕たちは、あらいざらいの気にくわないことの張本人にされる。生きてるものが、そんなに死んだものの犠牲にされるなんて、あることかい? そんなに『彼』がいいんなら、おっかさんは何だって、袋をもったりタクシーを止めたりすることだって『彼』にさせればいいんだ」
和一郎が、多計代の携帯品である錦のつつみをきらう原因は、ただ保の肉体についての思い出からばかりではないのだった。
「僕は、ホテルの女中でも、あれを何かと間違えてなくしちゃいでもしたら、かえっていいと思ってるくらいだ」
つや子は、一人ぼっちで誰もいないひろい両親の室へ臥ているのをいやがって伸子、素子、和一郎、小枝とつまっている室の、一つのベッドにはいっていた。
若い四人は、つや子を眠ったものと思い――そう思ったというよりむしろそこにつや子がいるのを忘れて話していた。
和一郎のはげしい語気に、たれ一人口をきくものがなくて、ひっそりしたとき、伸子はふと、ベッドのなかでつや子が泣いているのに気づいた。