Clásicos japoneses con furigana
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しゅゆうれつでん
酒友列伝
山之口 貘
Lee 酒友列伝 (しゅゆうれつでん) de 山之口 貘 (やまのくちばく) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 6066 caracteres · 12 pantallas
本所両国に住むようになってからは、毎晩泡盛を飲んだ。この頃、郷里の大先輩の山城正忠が訪ねて来た。与謝野鉄幹、晶子の「明星」の歌人である。「明星」のある号に、石川啄木の戯書があったと記憶するが、そのなかに、金田一京助、土岐善麿氏等といっしょに山城正忠の名もあった。沖縄では、ぼくが訪ねるたびに、正忠は必ずコップに一杯泡盛をついでくれた。ぼくは国技館前の泡盛屋にかれを案内した。酔いがまわってくると、かれはあらたまって、「佐藤春夫に会いたいんだがね。」と云ってから、「実はそのことを与謝野晶子さんに話したところ、『さあ佐藤春夫さんはもう大家だし、簡単に会ってくださるかどうか。』とおどかされて来たんだがね。」と云った。山城正忠としては、佐藤春夫の慶応の学生時代に知っていたので、学生気分で簡単に会ってみるつもりだったところを、与謝野晶子におどかされて、まごついている様子で、佐藤春夫に会える機会をつくってもらいたいとぼくに頼み込んで来たのである。正忠は佐藤邸を訪ねると、ぽつりぽつり懐旧談をとりかわしたが、やがて懐からとり出したのはサイン帳であった。済んでからそのサイン帳を拝見してみると、別の頁から、真紅な唇があらわれたのである。