Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
のざらし
野ざらし
豊島 与志雄
Lee 野ざらし (のざらし) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.100 caracteres · 39 pantallas
」
突然、殆んど瞬間的に、心をつき刺すような眼付をじろりとまともに受けたのを、昌作は感じた。喫驚して顔を挙げると、禎輔は押っ被せて尋ねかけた。
「君は鮑のとろろってものを知ってるかい?」
昌作は知らないという顔色をした。
「君のお父さんや僕の親父などが、日本一の旨い料理だと云って話してきかしたものだ。僕はまだ食ったことはないがね。東海道の何とかいう辺鄙な駅にあるそうだ。取り立ての鮑をね、いきなり殻をはいで、岩のように堅くなった生身の肉を、大根研子でおろして、とろろにしたものだそうだ。……残酷じゃないか、君、生身を大根研子でおろされる時の感じは、どんなだろうね。それから、栄螺の壺焼だって……。」
そうなると、もう一種の述懐ではなくて、何か他意ありそうな攻撃的な語調だった。昌作は返辞に迷って、相手の顔をぼんやり見守った。顎骨の弱った四角な顔、わりに小さな眼と低い頑丈な鼻、短く刈り込んだ口髯、顔全体が何処となく間のびしていながら、その間のびのしたなかに、強い意力と冷たい皮肉とを湛えていた。眉の外れに小さな黒子があった。昌作の視線は次第にその黒子に集ってきた。