Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
のわき
野分
山本 周五郎
Lee 野分 (のわき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 21.401 caracteres · 42 pantallas
「そうか、ではそのうち送っていってやろう」
「まあうれしい、きっとですよ」
そんな話をするようになって間もなく、或る秋のはじめのことだったが、彼は蔦萬の帰りに、お紋をその町まで送っていった。そのとき運命のように時雨が降りはじめ、誘われるままに、ほんの雨やどりをする積りで、露路裏にあるお紋の住居に寄った。……そこは入口と台所と並んでいるありふれた長屋の一軒で、彼女は藤七という祖父と二人で暮していた。老人は腕のいい植木職だったが、もう七十幾つという年でほんの手伝い稼ぎしかできないという、痩せていて小さいが、日に焦けた緊った躯つきで、歯切れのいい調子でものを云うところなど、まだなかなか肯かぬ気に満ちていた。又三郎は、そのとき酒を馳走になって帰った。
はっきり覚えているが、その夜のことだ。本所二つ目の屋敷へ帰ると、上屋敷から用人の作間丈右衛門が来て待っていた。
「もう二刻も待っておいでです」脇屋五郎兵衛がひそひそ声で囁いた、「……蔦萬のほうへ使いをやったのですがお帰りになったあとで、御用人へは中屋敷へおいでになったと申上げてあります、そのお積りで、梅芳丸でも口へお含みになるが宜しいでしょう」