Clásicos japoneses con furigana
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のわき
野分
Lee 野分 (のわき) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 93.508 caracteres · 189 pantallas
今まではひまになったらと思っていたが、もうそれまで待っちゃいられない。死ぬ前に是非書き上げないと気が済まない」
「死ぬ前は過激な言葉だ。書くのは賛成だが、あまり凝るとかえって身体がわるくなる」
「わるくなっても書けりゃいいが、書けないから残念でたまらない。昨夜は続きを三十枚かいた夢を見た」
「よっぽど書きたいのだと見えるね」
「書きたいさ。これでも書かなくっちゃ何のために生れて来たのかわからない。それが書けないときまった以上は穀潰し同然ださ。だから君の厄介にまでなって、転地するがものはないんだ」
「それで転地するのがいやなのか」
「まあ、そうさ」
「そうか、それじゃ分った。うん、そう云うつもりなのか」と中野君はしばらく考えていたが、やがて
「それじゃ、君は無意味に人の世話になるのが厭なんだろうから、そこのところを有意味にしようじゃないか」と云う。
「どうするんだ」
「君の目下の目的は、かねて腹案のある述作を完成しようと云うのだろう。だからそれを条件にして僕が転地の費用を担任しようじゃないか。逗子でも鎌倉でも、熱海でも君の好な所へ往って、呑気に養生する。ただ人の金を使って呑気に養生するだけでは心が済まない。