Clásicos japoneses con furigana
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のわき
野分
Lee 野分 (のわき) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 93.508 caracteres · 189 pantallas
衣は薄紅に銀の雨を濃く淡く、所まだらに降らしたような縞柄である。
上になった手の甲の、五つに岐れた先の、しだいに細まりてかつ丸く、つやある爪に蔽われたのが好い感じである。指は細く長く、すらりとした姿を崩さぬほどに、柔らかな肉を持たねばならぬ。この調える姿が五本ごとに異ならねばならぬ。異なる五本が一つにかたまって、纏まる調子をつくらねばならぬ。美くしき手を持つ人は、美くしき顔を持つ人よりも少ない。美くしき手を持つ人には貴き飾りが必要である。
女は燦たるものを、細き肉に戴いている。
「その指輪は見馴れませんね」
「これ?」と重ねた手は解けて、右の指に耀くものをなぶる。
「この間父様に買っていただいたの」
「金剛石ですか」
「そうでしょう。天賞堂から取ったんですから」
「あんまり御父さんを苛めちゃいけませんよ」
「あら、そうじゃないのよ。父様の方から買って下さったのよ」
「そりゃ珍らしい現象ですね」
「ホホホホ本当ね。あなたその訳を知ってて」
「知るものですか、探偵じゃあるまいし」
「だから御存じないでしょうと云うのですよ」
「だから知りませんよ」
「教えて上げましょうか」
「ええ教えて下さい」