Clásicos japoneses con furigana
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かわぐちこ
野菊の墓他六篇
伊藤 左千夫
Lee 野菊の墓他六篇 (かわぐちこ) de 伊藤 左千夫 (いとうさちお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 30.105 caracteres · 61 pantallas
ついきのうまでも、まだまだとのみ先を頼むの念は強かったに、今はわが生の余喘も先の見えるような気がしてならない。
予はもう泣きたくなった。思いきり声を立てて泣いてみようかと思う。予の眼はとうに曇っていたのである。
子どもたちは何を見つけたかしきりにおもしろがって笑い興じている。その笑い声は真にはればれしくいきいきとして、何ともいいようなく愉快そうな声である。そうしてその声はたしかに人を闇黒より呼び返す声である。予は実に子どもたちの歓呼の叫びに蘇生して、わずかに心の落ちつきを得たとき、姉は茶をこしらえて出てきた。茶受けは予の先に持参した菓子と、胡瓜の味噌漬け雷干の砂糖漬けであった。予が好きだということを知っての姉の用意らしい。
「よくよく何もなくてただほんの喉しめしだよ。子どもらはどうしたろ。とうもろこしをとってみたらまだ早くてね」
姉はいそいそとして縁から子どもたちを呼び迎える。ふたりは草花を一束ずつ持って上がってくる。
「そんなに花をたくさんとっちゃいかんじゃないか」
「えいやね、東京では花だってかってにゃとれないだろう。いくらとってもえいよ、とればあとからいくらでも生えるから。