Clásicos japoneses con furigana
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こんじきのし
金色の死
谷崎 潤一郎
Lee 金色の死 (こんじきのし) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 22.997 caracteres · 46 pantallas
「自分は富豪の一人息子だ。尨大な資産と、強壮な肉体と、優美な容貌と、若い年齢との完全な所有者だ。」―――こう云う自覚が、既に十分彼の胸中に往来して居ました。いつの間にか彼は恐ろしく傲慢になり、お洒落になり、我が儘になりました。中学生の癖に髪を分けたり、金時計を持ったり、葉巻を吸ったり、甚だしきは金剛石の指輪を篏めたりして見せました。五年生の岡村と云えば、校内誰一人として知らぬ者のない憎まれっ子になって了い、生徒も憎めば先生も憎み、友達は愚か近づく人もないくらいで、唯私だけが親密にして居ました。けれども其の私ですら、時々腹の立つような言動を見せられる事があるのです。
「僕はたしかに仕合せな人間だ。いろいろの点で僕ほど幸福な境遇に居る者はあんまりないだろう。………たゞ不満足なのは、僕の家には金があるけれど爵位がない。此れで僕が華族の息子だったら、それこそほんとうに仕合せなんだがなあ。」
彼は或る時こんな不平を云って、嘆声を洩らした事がありました。私はそれまで、少くとも彼のお洒落や贅沢に対して、悪意の解釈を施しては居ませんでした。岡村君の贅沢は決して卑しい慾望に起因するのではなく、矢張り「美」