Clásicos japoneses con furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lee 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.251 caracteres · 39 pantallas
が、言うまでもなく、楽屋にせむしは、ひとりもいないのである。
藤吉は、うっとりしたような眼で、彦兵衛を招いてささやいた。
「誰と誰てえことは言わねえが、おらあ一応五人の人間を疑ってみたんだ。が、考えてその四人まで身証がはっきりして取り除くとすると――最後の一人が犯人てえことは、なあ彦、動かねえところだろうじゃあねえか。」
「へえ、その五人目てえのは、誰なんで。」
葬式彦は、わかったような、わからないような顔をする。
「まあ、急くなってことよ。」
その釘抜のような顔を運んで、藤吉は、ぴょこりと廊下へ降りた。そして、にわかに鋭い眼になって、一方から蝋燭の光の来る、細い廊下の上下を見渡した。
うしろからだけ光線を浴びた藤吉の影が、障子をいっぱいに埋めて、黒く塗り潰したように見える。藤吉は、二、三歩、障子のほうへ進んでみた。
光から遠ざかると、それだけ影が大きくなる――そして、それだけ影が薄くなる。茫っと、拡がるのだ。
と、その藤吉をぼんやり見守っていた彦兵衛の耳に、不思議な音が聞こえて来た。
どうやら、藤吉が、笑いを抑さえているらしいのである。が、すぐ、
「なあ、彦。