Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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いさん

銀座復興 他三篇

水上 滝太郎

Lee 銀座復興 他三篇 (いさん) de 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 40.579 caracteres · 82 pantallas

Aozora Bunko

」

と繰返しながら、倒れるように膝を折って、その上に妹の体を抱起した。乙子は、兄の胸に喰いついて背中に波を打たせて泣き出した。

側では養子が、異常の脅怖に上ずっていた目に俄にいっぱい涙を浮べて、澤の方に手を差延ばした。澤は躊躇しずにその手を取って強く握りしめた。

「いったい、どこから出て来たの。」

実は死んだと思っていたと云おうとして口をつぐんだ。

「わかりません。たった一箇所あかりのさしているところがあったので、そこから出て来たんですけれど、出られたと思う嬉しさで夢中になって、今考えてもわかりません。」

養子の話を聴くと、澤が一番早く庭先へ飛出し、一郎が甲子を引立てて立上った時、自分も乙子を抱上る積りだったが、足下がきまらないので力が足らず、もういけないと思った時は、既に天井が落て来て、真暗になってしまった。それからその暗闇を手探りで、あちらこちら這い廻ったが、どこに行っても木材に妨げられて行どまってしまう。誰かが助けに来てくれるものとは思っていたが、その間幾時間たったものかわからない。不意に明るい外光がさし込んで来たので、ようやくそこまでたどって行くと、体の出られるだけの隙間があった。