Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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いさん

銀座復興 他三篇

水上 滝太郎

Lee 銀座復興 他三篇 (いさん) de 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 40.579 caracteres · 82 pantallas

Aozora Bunko

「そんな事があるもんですか。」

流石に少しむっとして、澤は養子を真当面に見ながら、やはり弁解の言葉に苦しんでしまった。その様子をじっと見守っていた養子の目には、いたずらな微笑が浮んでいた。澤は逃げるように、視線をそらすと、そこには老犬が疲れた形で長々と寝そべっていた。ふと、畜類の身の上が羨しく思われた。地震があろうが、火事があろうが、犬は人間程苦しみはしないだろうと思った。一面には養子に対するまぎらかしもあって、軽く口笛を吹いてみた。犬は薄目をあいて彼の方を見たが、直ぐに又眠ってしまった。

缶詰類と麺麭を買込んで、じいやは手柄顔をして帰って来た。方々で聞いた話を、又みんなに聞かせながら、たった今人にせがんで貰って来た一本の巻烟草を、さも惜そうにふかした。

日が西の方に廻って、松林の中が薄暗くなりかかった頃、心配していた一郎が疲れ切って帰って来た。ただならず緊張したその顔を見ると、皆の胸はどきんとした。

「どうしたの。無事だった。」

澤がきくと、一郎は頭を振って、

「きょうだい共死んじゃった。家がつぶれて火事になって焼死んだんだ。」

詳しい話をしようとする積りだったが、唇が震えて云えなかった。