Clásicos japoneses con furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lee 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 106.745 caracteres · 216 pantallas
「今夜のことご他言無用。もし口外なされる時は御身のためよくござらぬ」と、いざお暇という時に例の覆面の老人によって堅く口止めされたことを心から恐ろしく思いながらも、襲って来る睡魔はどうすることも出来ず、彼はうとうと睡ったらしい。
こうして彼が目覚めた時には日が高く上っていた。自分の家の自分の寝間に弟子や家人に囲まれながら楽々と睡っていたものである。
「金包みはあるかな? 金包みは?」
これが最初の言葉であった。
「はいはい金包みはございますよ」
「いくらあるかな? あけて見るがいい」
「はい、小判で五十両」
「木葉であろう? 木葉であろう?」狐に魅れたと思っているのだ。
「なんのあなた、正の金ですよ」
「どうも俺にはわからない」
「今朝方お帰りでございましたが、やはり昨夜は狩野様で?」
「いやいや違う。そうではない。狩野の邸なら知っている。昨夜の邸とはまるで違う」
「まあ不思議ではございませんか。どこへおいででございましたな?」
「それがさ、俺にも解らぬのだよ」
……で専斎は気味悪そうに渋面を作らざるを得なかった。
こういうことのあったのは、この物語の主人公旗本の藪紋太郎が化鳥に吹矢を吹きかけた功で西丸書院番に召し出されたちょうどその日のことであったが、翌日紋太郎は扮装を整え専斎のやしきへ挨拶に来た。