Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 157.440 caracteres · 313 pantallas

Aozora Bunko

もう一つ不思議なのは、人相の穏やかなことで、人と激しく争って殺された人に見る、険しいところなどは少しもなく、穏かな話でもしているところを、不意の襲撃を受けて、電撃的に死んだとしか思われないことでした。

傷は近江屋半兵衛と全く同様、右の頸筋を一とえぐりされたもので、この業をする下手人は、殺された者とじっこんの間柄でなければならず、その点、容疑者の範囲は非常に狭められるわけです。

「奪られた物はないのか」

平次はお里を顧みました。

「何んにもない様子でございます」

「ところで、お前はこれに気がついているだろうな」

平次は死骸の――もうすっかり冷たくなった二の腕を捲くり上げて、賽の目の五を彫った入墨をお里に見せました。

「何んか入墨らしいものがあるとは知っておりましたが、賽の目の五と解ったのは、今が始めてでございます」

「いつごろからこの彫物はあったのだ」

「サア」

「子供の時から一緒に育った兄妹なら、それくらいのことは知っている筈だが」

「でも私は長い間別れておりました。一緒に住むようになったのは、この二年ばかりの間です」

平次はお里の答えにあまり期待を持たなかったらしく、そのままクルリと振り返ると、