Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 130.082 caracteres · 257 pantallas

Aozora Bunko

「表の格子のところはよく見えます」

「誰か来たことだろうと思うが――」

「阿星右太五郎様が格子を開けかけましたが、思い直した様子で、木戸をあけて裏へ廻り、暫くして出て来ました――まだ雨が降る前で、ひどく雷鳴が鳴って居ました」

「傘はさして居たのか」

「お師匠さんの家を出るとザーッと降って来たので、阿星さんは傘をさして、大急ぎで帰った様子です」

「それから」

「若旦那の金之助さんが、格子から入って暫くして出て来ました。これは傘も何んにも無く、ひどい風をして、濡れ鼠になって帰って行きました」

「それっ切りか」

「三人目は小三郎さんで――これは雨が小止みになってから、格子の中へ入ったと思うと、大きな声を立てて、気違いのようになって出て来ました。お師匠さんが殺されているのを見て、びっくりしたんですって」

お菊は表情的な眼を大きく開いて、びっくりして見せるのです。

「唐物屋の店に、その時誰も居なかったのか」

「大変な嵐でした。雷鳴と稲妻と、雨と風と、――家中の人は皆んな奥へ引込んで、蚊帳の中へ入ってしまって、私だけ店に取残され、大戸をおろして、臆病窓から、此方を眺めて居たんです」