Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 130.082 caracteres · 257 pantallas

Aozora Bunko

「薊の三之助は、身軽で元気な男だったね」

平次は与茂吉に向ってつかぬことを訊きました。

「ヘェ、梯子乗も建前も自慢で、良い職人でしたよ、男っ振りが良いのと、いかさま博打が器用なので、身を持崩しましたが」

与茂吉の答には、日頃の鬱憤も交って居るのでしょう、褒めてやるようなくさしつけるような皮肉な調子です。

「この家の鎖りは恐ろしく厳重な様子だが、誰がそれをやるんだ」

平次は新しい問を持出しました。

「父親と私がいたします。恐ろしく念入りで、店の方は父親が見廻り、裏の方、勝手口から裏木戸は私の受持で、一々錠をおろした上、鍵は肌身を離さないことになって居ります」

「すると、夜中裏木戸からは入れないわけだね」

「戌刻には潜りの大海老錠をおろします。それから先は私が開けにかからなければ、外からは入れないことになって居ります」

「有難う、そんなことでいいだろう」

「ヘェ、何分よろしく願います」

与茂吉を帰すと、平次は少し離れて待機して居た八五郎を呼びました。

「八、いよ/\六つかしいことになるよ。お前は家中の者を嗅ぎ廻してくれないか、相手に気が付かれぬように、それとはなしにやるんだ。