Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 156.866 caracteres · 318 pantallas
「お前さんは、どうして入谷の寮なんかへ行っていたんだ。お絹さんとかが居ちゃ、あんまり面白いところでもあるまいが――」
「私は去年の冬から身体を悪くして、店の方は人の出入りも多いし、落着いて養生も出来ないから――と、ずっと入谷の寮に泊っております。それに、お絹さんは、思ったよりは親切にしてくれますし、そんなにいやなところとも思いませんでした」
「なるほど、――ところで、それだけの事なら、何も俺のところへ飛んで来るはずはあるまい。何が一体腑に落ちなかったんだ」
平次は静かに水を向けました。賢いようでも若い娘は、事件の重大さに圧倒されて、ともすれば口が重くなりそうなのです。
「側には遺書がありました、が」
「どんな風に? 畳んだままか、それとも拡げて何か載せて――」
「畳んだままでした」
「文句は?」
「それが大変でございました。なんでも、根津の石川良右衛門様が、公儀御腰物方から、御手入を申付けられた、上様の佩刀、彦四郎貞宗とやら――東照宮様伝来の名刀だということでございました――その研から拵えの直しを、父がお引受けしてお預り申上げているうちに、いつの間にやら盗まれてしまったのだそうです」