Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 156.866 caracteres · 318 pantallas

Aozora Bunko

「ハッハッハッ、ハッ」

平次はそれを聴くと急に笑い出しました。

「何が可笑しいんで、親分」

「心配するな、八、曲者の逃込んだのは、やはりあの家さ」

「ヘエ――」

「これを見るがいい」

平次がそっと出したのは、かなり洒落た雪駄が一足、好みの若々しさが、夜眼にも紛れようはなかったのです。

「親分、これはどこから持って来なすったんで――?」

「小田巻直次郎の土間からちょいと借りて来たよ」

「ヘエ、――これをやらかしたんで」

ガラッ八は眼の前へ持って行った食指を屈げてみせました。

「そんな事はどうでもいいよ」

「ヘエ――、そんなもんですかね」

「この雪駄を見て、何か気の付くことはないか、八」

「洒落た履物ですね。本南部に、白鹿革の鼻緒。町人じゃありませんね、旗本か、御家人、――それとも、工面の良い浪人者?」

「それから?」

「突っかけて履いた具合、浅黄裏じゃありませんね。粋な若い武家ですね」

「それから?」

「あとは解りませんよ、親分」

「肝心の事に気が付かない――それ、裏金が無いだろう」

「あッ、なる――」

「新しい雪駄の裏金を剥がして履いて歩くのは、どんな人間だい」

「辻斬?」

「そのとおり、――この雪駄が、小田巻の入口にあったんだ」