Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 146.725 caracteres · 298 pantallas
平次の答の無造作さ。
「ヘエ――」
「どんな家だって、綿の切れっ端や、余分の油や、焚きつけのないところがあるものか」
「なるほどね」
「もっとも、あの付火道具を隠してある場所が、もっと早く判れば、何でもなかったんだが、市五郎の家の納屋とは気がつかなかったよ。――後で考えてみると、仲吉に疑いがかかるように、三八の日にお町と逢引することを知って、その日を選って火を放けて歩いたほどの奴だから、付火道具だって、あの納屋に隠すに決っているんだがそこまで気のつかなかったのは凡夫の浅ましささ」
「その代り、あんまり早く付火道具を見つけたら、かえって仲吉が疑いをますじゃありませんか」
と、ガラッ八。
「それも、そうだな」
「何だって酒屋ばかり選って火を放けたんでしょう」
「世間の眼を誤魔化すためさ。――周助がお町に弾かれているから、自分の隣の家へだけ火を放けてみろ、すぐ知れるじゃないか」
「それにしても無法じゃありませんか」
「あれは並の人間じゃないよ。もっとも、始めの一軒は試してみる気だったんだ。同じような店造りの、炭や薪のある家へやってみたが、うまく行かなかった。大黒屋の小火はそれだよ。