Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 144.106 caracteres · 292 pantallas
大名行列じゃあるまいし、いくら夕暗でも、長柄の槍は持って歩けるはずはない。物干竿で眼を突かれるような、弥助でもあるまいし、どうかしたら矢かも知れないと思ったが、死ぬほど深く射込んだ矢なら、その辺にないはずもないだろう」
「…………」
平次は黙って聞きました。この不可解な殺人が、自分の立場へ、どんな恐ろしい影響を持って来るかわかりませんが、予感めいたものに、背筋をゾッと寒気が走ります。
「で、多分、庇を渡って、隣から来て、弥助を殺して、ソッと隣へ帰ったものだろうということになったが、困ったことに、隣の空家の中から、平次――、お前の煙草入を拾ったものがある」
「あッ」
平次はこの時ほど驚いたことがありません。今朝出がけに、平常使う煙草入がなかったので、お静にさんざん小言を言いながら、代りの煙草入を持って来たことは、あまりにも、マザマザと平次の記憶に蘇って来るのです。
「弥助とお前は敵同士だ。それに投げ銭といい、煙草入といい、この下手人は、平次に相違ないと、柴井町の友次郎も言い、石原の利助も言うが、どうだ」
ピタリと黒羽二重の膝の上に手を置いて、こう言い渡した笹野新三郎。