Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 144.106 caracteres · 292 pantallas

Aozora Bunko

黒子があったように思うが」

「これは成滝という方の筆蹟と違いましょうか」

平次は持って来た古書類を幾通か出しました。

「これだ、――成滝近江の文字は、左下がりの変な癖があったよ」

「有難うございました」

平次はもうそれ以上訊く必要はありませんでした。

その足で阿部川町に飛んで行き、お礼に逢って訊くと、父親――藤枝蔵人の左の眉尻には、黒子が一つあったことも確か、蔵人はひどくそれを気にしていたという事が分ったのです。

「八、大変なことになったのだ。藤枝蔵人というのは、実は成滝近江だ――藩の御用金を五千両持出して、町人に融通して楽々と暮していたんだ」

「ヘエ――」

ガラッ八も開いた口が塞がりません。

「敵持の話などは、ほんの座興だったのさ。武士が敵を持っているというのは、ちょっと面白い話だからなア、――成滝近江が、成滝近江を殺すなんて、そんな馬鹿なことがあるわけはない」

「ヘエ――驚いたね、どうも」

「こいつはとんだお茶番崩れさ、――ところで」

と平次。

「殺したのは誰です。――敵討でないとすると」

「成滝勇之進という名義で、呼出し状を書いた奴だ。それが本当の勇之進なら親殺しの大罪人だ。