Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 144.106 caracteres · 292 pantallas

Aozora Bunko

親切とも、皮肉とも聞える言葉を空耳に、平次はお鶴に伴いてその家の前まで行っておりました。

「ちょいと寄っていらっしゃいな? お茶でも淹れましょう」

「有難う、少し休まして貰おうか」

断るかと思った平次は、お鶴に誘われるまま、細かい格子戸を潜りました。

中は女やもめの住みそうな、磨き抜かれた調度、二三人の若い梳手が、男の客を物珍しそうに、奥の方から娘らしい視線を送っている様子です。

「出涸らしでございます」

汲んで出す茶、一と口飲んで、長火鉢の猫板の上に置いた平次。

「あの娘さん達は、夜もここへ泊んなさるのかね」

「いえ、用事のない時は、日が暮れると銘々の家へ帰しますよ」

「住込みもあるんだろう」

「私はこんな性分で、人様の娘を預かることなどは、面倒臭くて出来ませんから、皆んな帰って貰いますよ」

「すると夜分はお鶴さん一人だね」

「え」

「ちょうどいい塩梅だ、これからチョクチョク遊びに来るとしよう」

「あれ、冗談ばかり、そんな事を言うと罪ですよ、これでも女なんですから」

「それはそれとして、いい加減にして、頭巾を脱ったらどうだえ」

「え? 何をおっしゃるんです」

お鶴は思わず吃となりました。