Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 144.106 caracteres · 292 pantallas

Aozora Bunko

一番から十番まで、一寸五分ぐらいから、五六寸のまで、枕に並べた定法の鍼の数を、不自由な眼と手捜りとで辛くも読むと、

「一本も無くなってはいません、親分」

佐の市は昂然として首をあげました。

「ところが、白石屋の主人は、その鍼を打たれて死んだんだよ」

「えッ、――そんな事はありません。どこへ、どんな鍼を打ちました。手さぐりで、私に教えて下さい」

「ここだよ」

平次は佐の市の手を取って、死骸の頸筋の鍼痕を探らせました。

「これですか、親分、――これは、『十四経和語抄』にもない、六百五十七穴の外の、禁断の鍼ですよ、親分」

「…………」

「こんな鍼を打たれちゃ、一とたまりもありません。――たぶん物も言わずに死んだことでしょう」

「佐の市、――お前は、この家の誰かに、その急所を洩らしはしなかったか」

平次はいよいよ最後の問まで辿りつきました。お吉も、お雪も、ガラッ八も、思わず固睡を呑んで、按摩の唇の動きように見入ります。

「ツイ冗談ともなく、話したことがあります」

「誰へだ」

「亡くなった白石屋の旦那様に、――十日ばかり前のことでした」

「外にはないか」

「聞いていた方があったかも知れません。