Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 114.139 caracteres · 233 pantallas
子で金を目当てにさらわれるはずもなく、お新の母親のお豊は武家の後家で、少しは貯えもあるようですが、長いあいだ賃仕事をして、これも細々とした暮しです。
菊坂の空地というのは、胸突坂の下から本妙寺の裏につづいた荒れ地で、子供の遊び場と町内の埃捨場になっている。何の変哲もない場所で、そこには捨井戸も穴もあるわけはなく、五人の子供を音も立てさせずに隠せる道理はありません。
「この通りだ親分、――四宿も船も手の届くかぎり調べさせたが、この十日あまり、江戸からろくな猫の子を持出した者もありませんよ」
八五郎はすっかり持て余し気味です。
一軒一軒、子供の家を訪ねましたが、五日あまりの心配に打ちひしがれて、何を訊いても一向らちがあきません。最後にたどりついたのはお新母娘の家。
「親分さん、この上は娘のお光だけでも無事に帰りますよう、――お願い申上げます」
武家の出だったという母親のお豊も、ただおろおろと泣くばかりです。
平次は一応信太郎の死骸を見せて貰いました。九つというにしては柄の小さい、ひ弱そうな子ですが、その代り智恵の方はよく廻ったらしく、眼鼻立ちもキリリとして、死骸の可愛らしさは涙を誘います。