Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 114.139 caracteres · 233 pantallas
「八、どうした」
「親分、この通りだ。しょっ引いて行って、二三百引っ叩きましょうか」
平次の姿を見ると、ガラッ八は懐中の捕縄などをまさぐるのです。
「ウム、口を開かなきゃ仕方があるまい。可哀想だが引っ立てて来てくれ。縄には及ぶまいよ、どうせ逃げ出す相手じゃない。――その代りお前の背中を貸してくれ」
「ヘエ――」
「その男を背負って行くんだ。ツイ、そこまでだよ。――遠慮をするな」
「ヘエ――」
八五郎は否みようもなく、足の悪い春松を引っ担ぐように、平次の後に従いました。
そこから一丁目まで、溝口屋の裏へ廻ると、臆病馬吉の長屋の格子をガラリと開けたのです。
「また来たよ」
「あ、銭形の親分」
馬吉はもう、サッと顔色を変えて、ガタガタ顫え出しました。
「馬吉、あの晩のことをもう一度繰り返してくれ」
「ヘエ――」
「溝口屋が殺された晩、亥刻(十時)から亥刻半(十一時)まで、お前は何をしていたんだ」
平次は仮借のない顔です。
「尺八を吹いていましたよ、親分」
「それっきりか」
「ヘエ――」
「伏見屋の三回忌だったそうじゃないか」
「ヘエ――」
「お前の尺八は供養になるのか。――もっともあの晩は大層うまかったというが」