Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 139.179 caracteres · 280 pantallas
「正体は判っている、安心するがいい。それよりはこっちが大事だ」
裏口のドブ板の上に倒れて、半死半生の姿になっているのは、下女のお杉、あの気のきいた十八娘の可憐な姿でした。
曲者に喉を絞められて、既に危ういところでしたが、平次の救いが間に合って、辛くも命を取り止めたのです。小半刻経って漸く元気になってから、多勢で責め問いましたが、お杉は泣いてばかりいて何にも言おうとはしません。
「よしよし、気が落着いたなら言うがいい。あの人に遠慮することはないよ、今頃はもう腹でも切っているだろうから」
平次はひどく心得たことを言うのです。それから間もなく、平次とガラッ八は、上屋敷の石津右門を訪ねておりました。
「心配をかけたが、絵図面は戻ったよ」
石津右門の醜い顔は、二人を迎えて、沈痛に歪みます。
「大垣様は、腹を召されたでしょう」
と平次。
「お察しの通りだ。が、どうしてそれを」
何もかも見透した平次の言葉に、石津右門も舌を巻いた様子です。
「大垣様の細工は、参覲交代を怠らせられる殿様の御身の上を安じての事、人間二人の命を縮め、その上、気の毒な娘までも手に掛けようとしたのは許し難いことですが――お気の毒でございます」