Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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くにさだえがく

鏡花短篇集 川村二郎編

泉 鏡花

Lee 鏡花短篇集 川村二郎編 (くにさだえがく) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.644 caracteres · 40 pantallas

Aozora Bunko

頤から爪先の生えたのが、金ぴかの上下を着た処は、アイ来た、と手品師が箱の中から拇指で摘み出しそうな中親仁。これが看板で、小屋の正面に、鼠の嫁入に担ぎそうな小さな駕籠の中に、くたりとなって、ふんふんと鼻息を荒くするごとに、その出額に蚯蚓のような横筋を畝らせながら、きょろきょろと、込合う群集を視めて控える……口上言がその出番に、

「太夫いの、太夫いの。」と呼ぶと、駕籠の中で、しゃっきりと天窓を掉立て、

「唯今、それへ。」

とひねこびれた声を出し、頤をしゃくって衣紋を造る。その身動きに、鼬の香を芬とさせて、ひょこひょこと行く足取が蜘蛛の巣を渡るようで、大天窓の頸窪に、附木ほどな腰板が、ちょこなんと見えたのを憶起す。

それが舞台へ懸る途端に、ふわふわと幕を落す。その時木戸に立った多勢の方を見向いて、

「うふん。」といって、目を剥いて、脳天から振下ったような、紅い舌をぺろりと出したのを見て、織次は悚然として、雲の蒸す月の下を家へ遁帰った事がある。

人間ではあるまい。鳥か、獣か、それともやっぱり土蜘蛛の類かと、訪ねると、……その頃六十ばかりだった織次の祖母さんが、