Clásicos japoneses con furigana
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もん
門
Lee 門 (もん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 139.830 caracteres · 278 pantallas
京都へ着いた一日目は、夜汽車の疲れやら、荷物の整理やらで、往来の日影を知らずに暮らした。二日目になってようやく学校へ出て見ると、教師はまだ出揃っていなかった。学生も平日よりは数が不足であった。不審な事には、自分より三四っ日前に帰っているべきはずの安井の顔さえどこにも見えなかった。宗助はそれが気にかかるので、帰りにわざわざ安井の下宿へ回って見た。安井のいる所は樹と水の多い加茂の社の傍であった。彼は夏休み前から、少し閑静な町外れへ移って勉強するつもりだとか云って、わざわざこの不便な村同様な田舎へ引込んだのである。彼の見つけ出した家からが寂た土塀を二方に回らして、すでに古風に片づいていた。宗助は安井から、そこの主人はもと加茂神社の神官の一人であったと云う話を聞いた。非常に能弁な京都言葉を操る四十ばかりの細君がいて、安井の世話をしていた。
「世話って、ただ不味い菜を拵らえて、三度ずつ室へ運んでくれるだけだよ」と安井は移り立てからこの細君の悪口を利いていた。宗助は安井をここに二三度訪ねた縁故で、彼のいわゆる不味い菜を拵らえる主を知っていた。細君の方でも宗助の顔を覚えていた。