Clásicos japoneses con furigana
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もん
門
Lee 門 (もん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 139.830 caracteres · 278 pantallas
すると先刻からの疲れで、何を考える暇もないうちに、深い眠りに落ちてしまった。
眼が覚めると枕元の障子がいつの間にか明るくなって、白い紙にやがて日の逼るべき色が動いた。昼も留守を置かずに済む山寺は、夜に入っても戸を閉てる音を聞かなかったのである。宗助は自分が坂井の崖下の暗い部屋に寝ていたのでないと意識するや否や、すぐ起き上がった。縁へ出ると、軒端に高く大覇王樹の影が眼に映った。宗助はまた本堂の仏壇の前を抜けて、囲炉裏の切ってある昨日の茶の間へ出た。そこには昨日の通り宜道の法衣が折釘にかけてあった。そうして本人は勝手の竈の前に蹲踞まって、火を焚いていた。宗助を見て、
「御早う」と慇懃に礼をした。「先刻御誘い申そうと思いましたが、よく御寝のようでしたから、失礼して一人参りました」
宗助はこの若い僧が、今朝夜明がたにすでに参禅を済まして、それから帰って来て、飯を炊いでいるのだという事を知った。
見ると彼は左の手でしきりに薪を差し易えながら、右の手に黒い表紙の本を持って、用の合間合間にそれを読んでいる様子であった。宗助は宜道に書物の名を尋ねた。それは碧巌集というむずかしい名前のものであった。