Clásicos japoneses con furigana
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かいひいちようちょう
開扉一妖帖
泉 鏡花
Lee 開扉一妖帖 (かいひいちようちょう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.898 caracteres · 40 pantallas
しっかりおしよ。」
ぽんと、丸めた紙の頭を順にたたくと、手だか足だか、ふらふらふらと刎ねる拍子に、何だか、けばだった処が口に見えて、尖って、目皺で笑って、揃って騒ぐ。
「いえね、お前さん出来るわけがありますの。……その野宿で倒れた時さ――当にして行った仙台の人が、青森へ住替えたというので、取りつく島からまた流れて、なけなしの汽車のお代。盛岡とかいう処で、ふっと気がつくと、紙入がない、切符がなし。まさか、風体を視たって箱仕事もしますまい。間抜けで落したと気がつくと、鉄道へ申し訳がありません。どうせ、恐入るものをさ、あとで気がつけば青森へ着いてからでも御沙汰は同じだものを、ちっとでも里数の少い方がお詫がしいいだろうでもって、馬鹿さが堪らない。お前さん、あたふた、次の駅で下りましたがね。あわてついでに改札口だか、何だか、ふらふらと出ますとね、停車場も汽車も居なくなって、町でしょう、もう日が、とっぷり暮れている。夜道の落人、ありがたい、網の目を抜けたと思いましたが、さあ、それでも追手が掛りそうで、恐い事――つかまったって、それだけだものを、大した御法でも背いたようでね。