Clásicos japoneses con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lee 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 213.575 caracteres · 424 pantallas
という意味をつけ加え、あとはおなじ話がくり返されるだけだった。
小さな祠堂の中に、木彫仏三体がおかれている。雨露のため、古くは見えるが、江戸初期を出ないものである。吉次が通ったということだけは、嘘ともいえない。ここの渡しを通ったことがないとすれば、吉次などという人物は実在しなかったともいえばいえる。
話はちがうが、江戸初期のころ、家康が江戸へ入城したという風説が聞こえたときも、この地方では「家康が江戸までサ来なされても、会津退治に、ここサ来なされたら、そのまま、おっころされなさるべい」と、女童まで自信をもって、びくとも騒ぎまわらなかったという俚話が伝わっている。どうも、飯盛山のお婆さんといい、ここの二古老といい、今もって、何かそういった風な確信がつよい。
帰りがけ、また、路上の柿の枝が、顔へさわる。一軒の門口から、女の眸が、ぼくらの連れを、見まもっていた。「これ一つくれませんか」といえば「どうぞ」と、先様の方が御ていねいなお辞儀をする。さっそく、一つモギ取って齧りながら歩く。都会のサロンでは味わえない。
小川のふちに、可憐な淡黄色の花をおりおり見る。