Clásicos japoneses con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lee 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 145.414 caracteres · 289 pantallas
お酒さえ飲んでいれァお父さんはもう何もいらない。お金もいらない。おかみさんもいらない。」
「そんな事いったって、お父さん、一人じゃ不自由よ。いつまでこうしていられるもんじゃない事よ。」
「いてもいられなくっても最う仕様がないやな。まァお照そんな話はよしにしようよ。折角今夜はお正月らしくなって来たところだ。お照、お父さんのお箱を聞かせてやろうか。蓄音機で稽古したんじゃねえよ。」
やがて亭主が帰って来た。役者の紋をつけた双子縞の羽織は着ているが、どこか近在の者ででもあるらしい身体付から顔立まで芝居者らしい所は少しもない。どうやら植木屋か何かのようにも見れば見られる男で、年は女房とさして違ってもいないらしいが、しょぼしょぼした左の目尻に大きな黒子があり、狭い額には二筋深い皺が寄っている。かみさんは弟にでも物言うような調子で、
「お前さん。田島さんのお嬢さんだよ。頂戴物をしてさ。」
「そうかい。それァどうも。」と言ったきり亭主は隅の方へ座って耳朶へはさんだエヤシップの吸残りを手にとったが、火鉢へは手がとどかないのか、そのまま指先で火を消した煙草の先を摘んでいる。